追加の遺伝子解析研究への使用のお願い
これまでパーキンソン病の発症に関連する遺伝子は、当科 (順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科) を含め世界中で発見・報告され、パーキンソン病研究の推進に貢献してきました。当科では「次世代シーケンサーによるparkin (パーキン) の新規modifier 遺伝子同定と機能解明」という研究を行っております。この研究は家族性パーキンソン病の原因遺伝子の1つであるparkin遺伝子の修飾因子を調べ、その発症メカニズムを探索する研究です。この度、本研究が文部科学省科学研究費助成事業「新学術領域研究『学術研究支援基盤形成』」先進ゲノム*1解析研究推進プラットフォームである先進ゲノム支援 に採択されました。

この研究の対象となる患者さんは、以下の①②③の全てを満たす方のみです。
- パーキンソン病の方で、西暦1995年1月1日から西暦2017年12月31日の間に脳神経内科で遺伝子検査を受けた方 (かかりつけ医で採血を行い、当院へ検体を送って頂いた方も含みます)。
- その中で、parkin (パーキン) 遺伝子変異が1アレル*2または2アレル*2で陽性と診断された方。
- 当初ご参加いただいた研究において原因遺伝子解析の結果を「知りたい」と希望された方。*3
上記①②③の一つでも満たさない方は、研究の対象とはなりません。
利用させていただく検体・臨床情報は下記です。
検体 | DNA |
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臨床情報 | 診断名、年齢、性別、病歴、身体所見、検査結果(血液検査、画像検査) |
- この研究は順天堂大学医学部研究等倫理委員会の承認を受けて行われます。
・研究実施期間 / 西暦2017年10月10日~西暦2022年3月31日まで(ただし、研究期間が延長されることがございます。)
・研究責任者 / 大垣 光太郎
・研究分担者 / 服部 信孝、西岡 健弥、舩山 学 - 本研究では、患者さんに新たな費用が生じることはなく、また、データを使用させていただいた患者さんへの謝礼等もありません。
- 患者さんのゲノムデータや臨床情報を研究に使用させていただきますが、氏名・住所・生年月日などの個人を特定できる個人情報は研究に使用しません。ただ、個人を特定できる個人情報(氏名・住所・生年月日など)との紐づけは残しておきます。紐づけは『対応表』で管理します。対応表は個人情報管理者である吉野浩代のみが扱い、適切に管理されるため、個人を特定できる個人情報(氏名・住所・生年月日など)が漏洩することはありません。共同研究者(国立遺伝学研究所, 佐々木研究所など)には、ゲノムデータや臨床情報のみを提供します。研究成果を学会や学術雑誌で発表しますが、患者さん個人を特定できる個人情報(氏名・住所・生年月日など)は含まれません。
- 先進ゲノム支援の協力で得られたデータは公的データベースから公開します。そうすることで、国内外の多くの研究者がデータを利用することが可能になり、病気に苦しむ方々の診断や予防、治療等をより効果的に行うために役立つことが期待されます。公的データベースからのデータの公開では、日本国内の研究機関に所属する研究者だけではなく、製薬企業等の民間企業や海外の研究機関に所属する研究者もデータを利用する可能性があります。研究から得られたデータをデータベースから公開する際には、データの種類によってアクセスレベル(制限公開、非制限公開)が異なります。個人の特定につながらない、頻度情報・統計情報等は非制限公開データとして不特定多数の者に利用されます。個人毎のゲノムデータ等は、個人情報であり、制限公開データとし、科学的観点と研究体制の妥当性に関する審査を経た上で、データの利用を承認された研究者に利用されます。承認された研究者はユーザIDとパスワードを設定し、ゲノムデータ等は厳重に管理されます。
同意を撤回された際、既に公的データベースから個人毎のデータが公開されている場合、原則、あなたのデータをデータベースから削除し、その後の研究に提供しないようにデータベース側に要請します。ただし、あなたのデータを特定できない場合は破棄できない可能性があります。 - 調査研究の結果、特許などの知的財産が生じる可能性もございますが、その権利は大学・研究者に帰属し、あなたには帰属しません。
- この研究は、脳神経内科の研究費によって実施しておりますので、外部の企業等からの資金の提供は受けておらず、研究者が企業等から独立して計画し実施するものです。従いまして、研究結果および解析等に影響を及ぼすことはありません。また、本研究の責任医師および分担医師には開示すべき利益相反はありません。
- 上記の検体・診療情報等を共同研究実施のために下記機関に対して提供します。
- ※1 ゲノムとは、1つの遺伝子ではなく、ヒト一人が持つ全ての遺伝情報を意味します。
- ※2 アレル(allele)とは、対立遺伝子の事です。相同の遺伝子座(ある特定の形質に関する遺伝情報が存在する染色体の部位)にあって、異なる遺伝情報を有する遺伝子を対立遺伝子と呼びます。ヒトをはじめとした2倍体の生物では父親と母親それぞれから遺伝情報を引き継ぐため、それぞれの遺伝子座について2つの対立遺伝子を持つことになります。
- ※3 本研究の目的は、原因遺伝子の解析ではなく、新規疾患修飾遺伝子の探索です。得られた結果の精度が十分でないために、結果を開示することで、あなたや、あなたの血縁者に誤解を与える懸念があります。このため、現時点では必ずしもあなたに対して本研究で得られた個別の結果を開示するとは限りません。
主な提供方法/提供先
提供方法 |
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提供先 |
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「「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」第12の1(2)アの(ウ)の規定により、研究者等は、被験者からインフォームド・コンセント(説明と同意)を受けることを必ずしも要しないと定められております。そのため今回の研究では、当科からのご連絡が不可能であった患者さんから同意取得はせず、その代りに対象となる患者さんへ向けホームページで情報を公開しております。
この研究の対象となる患者さんで、ご自身の情報は利用しないでほしい等のご要望がございましたら、大変お手数ですが下記のお問い合わせ先までご連絡ください。なお、同意の有無が今後の治療などに影響することはございません。