筋肉に神経からの司令を伝える部分を神経筋接合部と言いますがその部分にあるアセチルコリン受容体に対し主に破壊性の抗体が産生されます。そのため筋肉の興奮収縮連関がうまくいかなくなり筋力低下、易疲労性が出てきます。症状としてはまぶたが下がる、物が2重に見える、飲み込みが悪い、首が垂れる、手足の脱力などです。膠原病、甲状腺疾患や胸腺腫という腫瘍が認められることもあります。治療としては日常生活ができる状態では外来で抗コリンエステラーゼ阻害薬や内服ステロイドが投与されます。目の周りの症状だけではない場合(全身型)は急激に呼吸ができなくなるような状態になることもあります(クリーゼ)。その場合には人工呼吸管理、血液浄化療法、ステロイドパルス療法ののち内服ステロイド、免疫抑制剤であるタクロリムス、サイクロスポリンを使用します。感染症や手術を機に悪化することもありますし、睡眠薬や安定剤ある種の抗生剤は原則使用できません。
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