順天堂大学脳神経内科

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  特殊治療  

デュオドーパ

 
パーキンソン病は治療経過において、治療の難しいさまざまな症状が出現することがあります。治療開始当初は、お薬の効果があり、うまく症状をコントロールすることができます(ハネムーン期)。しかし、治療期間が長くなってくると、お薬はよく効くものの、効果が長続きせずに3~4時間おきに内服をしないと薬が切れてしまう状態(ウェアリングオフ)や、薬が効きすぎてしまい、体がくねくね意図せずに動いてしまう状態(ジスキネジア)といった“運動合併症”が生じることがあります(図1)。

図1 進行期パーキンソン病の有効治療域

ウェアリングオフやジスキネジアといった運動合併症に対しては、これまで内服薬の調整や、貼り薬の使用、脳深部刺激療法(DBS)という外科的治療法などが治療の選択肢でしたが、2016年の9月から、「レボドパ・カルビドパ配合経腸用液(LCIG; デュオドーパ®)」という新しい治療法を本邦でも行うことが可能となりました。これは、図2のように、内視鏡を使用して胃ろうを造設し、空腸までチューブを挿入します。そのチューブに体外式のポンプをつなぎ、レボドパ・カルビドパ製剤を持続的に投与するデバイス補助療法の一つです。進行期では、運動合併症の治療のために少量のレボドパ製剤を何回にも分けて内服するという方法を選択せざるを得ないのですが、内服回数が多いのは大変ですし、それでもどうしても血中濃度の「山」と「谷」ができてしまいます。LCIGはポンプを用いて一定速度で薬を投与し続けるので、血中濃度の「山」と「谷」がなくなり、血中濃度を一定に保つことができるため、ウェアリングオフ症状を改善させ、ジスキネジアの発現をおさえることができます。

図2 レボドパ・カルビドパ配合経腸用液(LCIG; デュオドーパ®)


また、ポンプの重さは約500g程度(ポンプ+薬剤+カセット)で、ウェストポーチで腰に巻いたり、ショルダーバックなど肩にかけたりして携帯できますし、お風呂に入るときにはポンプを取り外すこともできます。
当院では、低侵襲消化器外科学講座(福永哲教授)と連携して、2016年10月からこの治療法を取り入れております。海外ではすでに52か国で承認され、現在6,800人以上の方がこの治療を受けています。主な合併症には、胃ろうに伴う感染やチューブの挿入に伴うトラブル等があります。当院では、適応の判断を、神経内科医、精神科医、消化器外科医等、多職種の医師が連携して行っており、適応評価のためには1週間程度入院していただいて判断することにしています。

本治療を検討してみたいという方は、かかりつけの主治医にご相談の上、当科を受診してください。


*デバイス補助療法 Device-Aided Therapy
刺激装置や持続注入ポンプなどの機器(デバイス)を治療の補助に用いる治療法をさし、進行期パーキンソン病に対して、本邦では、脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation; DBS)やレボドパ・カルビドパ配合経腸用液(LCIG; デュオドーパ®)が、現在使用可能である。

 
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