パーキンソン病の5-10%くらいは、血縁者に発症者があり家族性に起こってくると言われ、家族性パーキンソン病と呼ばれています。家族性パーキンソン病にはいくつもの種類があることがわかってきています。たった一つの遺伝子異常によって家族性にパーキンソン病が生じる場合、標的が一つにしぼれるため治療しやすい可能性が出てきます。
一方、一つの遺伝子異常だけでなく、いくつかの遺伝子異常、または体質を決めるような遺伝子多型と環境などの他の因子との組み合わせによって発症することも考えられてきています。その場合、患者さんが血縁者中1人のみで家族性でない発症であっても、遺伝的因子が関わっているパーキンソン病であると考えられ、やはりそれらの因子が治療の標的となる可能性があります。